MRJ・ANAが2017年にも国内初就航予定か?
2022年07月5日
私たちが日常的に利用している旅客機のほとんどはボーイング社をはじめとする海外企業のものです。
そんな中、2014年、ついに国産旅客機であるMRJの実機が完成し、公開されました。一見すると通常の旅客機との違いはそれほど感じられません。
国内で旅客機が一般的なものになり、これだけ多くの人に利用されているにもかかわらず、長い間国産旅客機はほとんど存在していませんでした。
しかし、これは日本の航空業界にとって非常に大きな一歩と言えるでしょう。
MRJとは?
国産旅客機としては戦後に作られたプロペラ機であるYS-11以来、実に40年ぶりに登場したのがMRJです。
MRJとは三菱リージョナルジェットの略で2007年から三菱重工を中心に開発がスタートしました。
登場可能人数は70~100人程度の小型ジェット機ですので、私たちが空港でよく目にするジャンボジェットと比較するとかなり小型の機体となっています。
海外メーカーなどのとの提携によって三菱重工をはじめとする日本メーカーでも十分にジャンボジェットだって作ることはできるにもかかわらず、どうして小型ジェット機の開発を勧めることになったのでしょう?
小型ジェット機ならではのメリット
一見すると同時に多くの乗客が搭乗することのできるジャンボジェットの方が大きなメリットを持っているように感じられます。
しかし、近年各航空会社でもっとも注目を浴びているのはリージョナルジェットと呼ばれる小型ジェット機なのです。
利用客の多い人気路線であれば、ジャンボジェットの方が効率的です。
しかし、常に空席だらけの不人気路線の場合はどうでしょう?
乗客が20~30人程度しかいないのにジャンボジェットで運行していると赤字が膨らんで行くばかりです。
そこで利用客の人数にフィットした小型ジェット機の需要が世界中で高まっているのです。
また、小型であるため、大型機よりも高速での運行も可能な上、エンジンの小型化も可能ですので騒音も少なくなりますので、騒音対策のため、ジェット機の離着陸数が制限されている伊丹空港などでも十分な便数を確保することができる可能性を秘めています。
そんなMRJにはいつから乗ることができるのでしょう?
現時点の予定ではANAで2017年に就航の予定となっています。
まだ具体的にどの路線で運行されるのかは発表されていませんが、前述の大型ジェット機の離着陸数が制限されている伊丹空港への便などに就航することが予想されます。
また、リージョナルジェットの需要が高まっている海外の中小航空会社からの問い合わせも非常に多くなっていまので、国産旅客機であるMRJが世界の空を飛び交う日もそう遠くはないのかもしれません。
あらゆる面で高い技術を持っている日本ですが、旅客機を単独で製造していなかったことを意外に思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし、このMRJを皮切りに、世界中の空を国産ジェット機が飛び回ることになるのかもしれませんね。