LCC利用時の受託手荷物、重量制限、追加料金などに要注意?!
2022年02月7日
LCC(=Low Cost Carrier)は、新幹線や高速バスと並び、国内旅行や出張で利用する交通機関の選択肢の1つとして、すっかり定着した感があります。
LCC各社では格安な航空券を販売するために徹底したコストダウンを図り、特に燃料費に大きく影響する荷物の重量に関しては、厳しい制限を設けています。
そこでこの記事では、LCC各社の荷物に関するルールを徹底調査し、機内に持ち込める手荷物や受託手荷物(=機内預け入れ手荷物)の個数や重量などに課せられた制限と、追加料金について紹介しています。
LCCを利用して旅行や出張に行く予定の方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
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機内への持込み、特別な注意が必要な手荷物などの詳細は各航空会社ページをご確認ください。
■ジェットスターの手荷物についての詳細
■ピーチの手荷物についての詳細
■スターフライヤーの手荷物についての詳細
■エアドゥの手荷物についての詳細
■バニラエアの手荷物についての詳細
■フジドリームの手荷物についての詳細
■アイベックスの手荷物についての詳細
※ANAやJALなど大手レガシーキャリアに搭乗する感覚で荷造りをすると、空港に到着してから思わず追加料金が発生してしまうことも!
■ANAの手荷物について確認する。
■JALの手荷物について確認する。
今回は、国内線のLCCを代表するピーチ、バニラエア、ジェットスター、春秋航空の標準的な運賃タイプから、搭乗前に必ずチェックしておきたい手荷物の重量・サイズ制限についてまとめました。
LCCは荷物の制約が厳しい
飛行機には莫大なコストがかかっています。
中でも燃料費はコスト全体の1/4を占めているため、コストを削減するには燃料費をいかにうまく削減できるかどうかにかかっているといっても過言ではありません。
そのためLCC各社では、機内に持ち込まれる荷物を厳しく制限することで、燃料費の節約を図っています。
荷物が機内に持ち込まれればその分機体が重くなり余分な燃料がかかるため、持ち込まれる荷物を制限して機体を少しでも軽くし、燃料の消費を抑えています。
そのため、LCCの機内に持ち込まれる荷物の重量や個数、大きさなどの制限は、非常に厳格です。
大手航空会社では大目に見られることが多い手荷物の重量オーバーに対しても、LCCでは
しっかりと追加料金が課されます。
LCCを利用する際は、荷造りをしている段階で、荷物の重さや大きさなどが制限内であるかどうか、きちんとチェックしておく必要があります。
各航空会社のホームページには、持ち込むことのできる荷物の規定について紹介されていますから、確かめておくようにしましょう。
各航空会社の機内に持ち込める手荷物一覧
LCC各社の機内に持ち込める手荷物について、表にまとめました。
会社名 | 個数 | 総重量 | 大きさ |
ジェットスター | 2個まで | 7㎏まで | 高さ56cm×幅36cm×奥行23cm |
ピーチ | 2個まで | 7㎏まで | 3辺合計が115cm以内高さ40cm×幅50cm×奥行25cm |
スプリング | 2個まで | 7㎏まで | 3辺合計が115cm以内高さ56cm×幅36cm×奥行23cm |
スカイマーク | 2個まで | 10㎏まで | 3辺合計が115cm以内高さ55cm×幅40cm×奥行25cm |
スターフライヤー | 2個まで | 10㎏まで | 3辺合計が115cm以内高さ55cm×幅40cm×奥行25cm |
エアドゥ | 2個まで | 10㎏まで | 3辺合計が115cm以内高さ55cm×幅40cm×奥行25cm |
ソラシドエア | 2個まで | 10㎏まで | 3辺合計が115cm以内高さ55cm×幅40cm×奥行25cm |
各社とも機内に持ち込める荷物は2個までとなっています。
これは、ハンドバッグやカメラ、傘などの身の回り品のほかに、キャリーバッグ、スーツケース、リュックサック、パソコンバッグなどの手荷物とで合わせて2個という意味です。
この2個の重さの合計が、航空会社によって7㎏以下、または10㎏以下であるならば、機内に持ち込むことができます。
また、「大きさ」とあるのは、キャリーバッグやスーツケースなどの大きさのことであり、ケースの持ち手であるハンドル部分や外側のポケットの膨らみまで含みますので注意してください。
以上の条件をすべて満たしたものは、無料で機内座席に持ち込めます。
持ち込んだ手荷物は膝の上に置かずに、頭上の棚の中や、座席の下に入れましょう。
条件を満たした手荷物であっても棚の中や座席の下に収納できないものや、重量や大きさの条件を超えたものは、機内の荷物室に預け入れなければならず、追加料金が発生します。
LCCでは、コストを抑えるために、預け入れ荷物(受託手荷物)は全て有料となります。
ただし、航空会社によっては、ある一定の重量までは無料で預かってくれます。
先に掲出した表の中で、受託手荷物を無料で預かってくれる航空会社をまとめました。
会社名 | 重量 | 個数 | サイズ |
スカイマーク | 20㎏まで | 何個でも | 50cm×60cm×120cm以内※ |
スターフライヤー | 20㎏まで | 何個でも | 3辺の合計が203cm以内 |
エアドゥ | 20㎏まで | 何個でも | 3辺の合計が203cm以内 |
ソラシドエア | 20㎏まで | 何個でも | 3辺の合計が203cm以内 |
※スキー板やサーフボードなどの長尺物は、280cmまで可。各社とも20㎏を超える荷物は有料です。 |
次の項からは、国内線のLCCを代表するピーチ、ジェットスター、スプリングジャパンの受託手荷物について、重さやサイズの制限、追加料金などをお伝えします。
いずれの航空会社でも、最も安い運賃タイプでの規約を紹介していますので、荷造りの段階で目を通しておくことをおすすめします。
ピーチ航空(peach)運賃タイプ「シンプルピーチ」の手荷物制限
ピーチ航空で預け入れられる荷物には、次のような制限があります。
サイズ | 3辺の合計が203cm以内 |
個数 | 1人5個まで |
荷物1個の重量 | 20㎏まで。20~32㎏の荷物は重量超過料金がかかります。 |
総重量 | 100㎏まで |
受託手荷物は、国内線の全路線で同料金です。
ただし、インターネットで予約するのと、コンタクトセンター・空港カウンターで予約するのとでは料金が異なります。
例えば、荷物1個を預け入れる場合、インターネットで予約すると1,800円ですが、コンタクトセンター・空港カウンターで予約すると2,900円かかる上、別途手荷物予約手数料が発生します。
しかも、コンタクトセンター・空港カウンターでは、クレジットカードかピーチポイントでしか支払いができません。
ピーチで受託手荷物の申し込みをするなら、断然ネット予約がおすすめです。
ただし、20㎏を超える重量超過荷物に関しては、ネットからの予約ができません。
コンタクトセンター・空港カウンターで申し込み、別途1,700円の重量超過料金
を支払います。
受託手荷物がスキーやゴルフ用品の場合、1組に付き、ネット予約で2,200円、コンタクトセンター・空港カウンター予約で3,300円かかります。
同じスポーツ用品でも、自転車は1台ネット予約で3,900円、コンタクトセンター・空港カウンター予約で5,000円かかります。
サーフボードの場合はさらに高額となり、ネットで5,100円、コンタクトセンター・空港カウンターで6,200円かかります。
このように、運賃タイプが「シンプルピーチ」の場合、受託手荷物は全て有料となりますが、運賃タイプが「バリューピーチ」であれば、受託手荷物1個が無料です。
運賃タイプが「プライムピーチ」の場合は、受託手荷物が2個まで無料となります。
機内に預け入れたい荷物があるなら、運賃タイプをバリューピーチかプライムピーチにすることを検討してみてもいいでしょう。
※国内線各路線の受託料金は、こちらをご覧ください。
>>⇒ピーチ航空(Peach)特集|格安航空券センター
ジェットスター(Jetstar)運賃タイプ「Starter(スターター)」の手荷物制限
ジェットスターで最も安い運賃タイプ「Starter」では、受託手荷物は有料となります。
預け入れる荷物の個数に制限はありませんが、1個の荷物の重さは32㎏までとなっているため、32㎏を超える荷物は複数に分けてください。
受託手荷物の申し込みは、チケットをインターネットで予約する時に、一緒に済ませておくことをおすすめします。
受託手荷物の重さが15㎏以上40㎏以下の荷物に関しては、~20㎏まで、~25㎏まで、~30㎏まで、というように5㎏毎に増える重量制で、該当する重量枠を選んで購入する形となっています。
当日空港カウンターで直接申し込むこともできますが、割高になるため、インターネットでチケットを予約する時に一緒に申し込んだ方がお得です。
また、機内に持ち込む手荷物が、搭乗ゲートで重量やサイズが超過しているとわかった場合、受託手荷物として預け入れなければなりません。
その際にも割高な追加料金が発生しますので、制限内にきちんと収まるような荷造りを心がけましょう。
ジェットスターで最も安い運賃タイプ「Starter」は、受託手荷物がない時に利用した方がいいかもしれません。
受託手荷物がある時は、チケットを予約する際に、同時に申し込んでおくことを忘れないようにしましょう。
ジェットスターでは、予約が確定された後に申し込みをすると、予約と同時に申し込んだ時の料金に比べ割高となってしまうため、オプション料金を必要とするものは全て、予約する時に一緒に申し込んでおくのが、お得に使いこなすコツです。
※国内線各路線の受託料金は、こちらをご覧ください。
>>⇒ジェットスター(Jetstar)特集|格安航空券センター
春秋航空(Spring Japan)運賃タイプ「ラッキースプリング」の手荷物制限
春秋航空で最も安い運賃タイプ「ラッキースプリング」では、受託手荷物は有料となります。
インターネットやコールセンターから申し込むと5kg毎に750円、空港カウンターや搭乗口で申し込むと5kg毎に1,500円の料金がかかります。
例えば、20㎏の荷物を預け入れる場合、インターネットやコールセンターから申し込めば3,000円ですが、空港カウンターからでは6,000円、搭乗口では7,000円もかかります。
そのため荷物を預け入れたい方は、できるだけインターネットやコールセンターから申し込むか、受託手荷物が20㎏まで無料になる運賃タイプ「スプリング」、または30㎏まで無料になる運賃タイプ「スプリングクラス」を選ぶといいでしょう。
また、受託手荷物には、次のような制限があります。
サイズ | 3辺の合計が203cm以内 |
個数 | 1人3個まで |
荷物1個の重量 | 30㎏以下 |
総重量 | 60㎏まで |
3辺の合計が203cm以上の大型手荷物やスポーツ用品に関しては、別料金が適用されます。
大型手荷物は1個につき4,000円、ゴルフ用品、スキー、スノーボードは1セットにつき2,000円、自転車、サーフボードは1つにつき4,000円かかり、空港カウンターでのみ申し込みが可能です。
インターネットやコールセンターからでは申し込めないため注意してください。
LCCの手荷物対策
LCCを利用する際は、荷物はできるだけ少なくしておきましょう。
受託手荷物は基本、有料となるため、無料で機内に持ち込める手荷物の制限内に収まるよう、必要最低限の物だけをコンパクトにまとめるのがポイントです。
機内に無料で持ち込める手荷物は、多くの航空会社で7㎏までとなっています。
荷物が多く、7㎏を大幅に超える場合は、目的地へ配送することを検討してもいいでしょう。
受託手荷物として飛行機に預け入れるなら、荷造りの段階で、利用航空会社の手荷物に関する規定を必ずチェックしておくことが必要です。
キャリーケースのハンドルや、カバンの外ポケットの膨らみも、荷物のサイズ制限のうちに含まれます。
各社の公式サイトでは、図解入りで詳しく説明されていますので、荷物をその規定に合ったサイズや重さにまとめておきましょう。
また、受託手荷物の手続きは、航空券をインターネットで予約する時に、一緒に申し込んでおくのがポイントです。
インターネットで航空券を予約する時に同時に申し込めばオプション料金の支払いだけで済みますが、空港で直接申告するとオプション料金のほかに高額な手数料までかかります。
航空券と一緒にインターネットで申し込めるよう、できるだけ早めに荷造りを進めておくようにしましょう。
LCCを利用するなら身軽に
LCCの機内持ち込み手荷物や受託手荷物について、大きさや重量の制限、追加料金などをお伝えしました。
LCCに乗るなら荷物を減らし、身軽に搭乗するのがおすすめです。
必要最低限の荷物だけで、のびのびと旅行を楽しみましょう。