原油安が追い風、ガソリン・航空燃料値下げで航空券が値下になる!?
2017年02月22日
近年稀に見る価格下落で話題を呼んでいる原油市場。その背景には技術革新(シェールオイルの発掘)による飛躍的な増産が存在します。簡単に言えば、いままで発掘不可能とされていた原油が新たに量産されるようになり、世界的にオイルの価格が下落しているわけですね。原油安の動向に沿う形でガソリン、航空燃料の値下げも加速しています。
消費者にとって嬉しいのは、航空券の値下げが期待できること。燃料費が安くなる分だけ、安価な価格で航空券を購入できるわけです。とはいえ、並行して円安も進行していますから、海外旅行の際には滞在費が割高になっている事実もあります。以上の点を踏まえて考えると、今後は国内旅行の市場が活性化する可能性が高いようです。
「燃油サーチャージ」(別名:燃油特別付加運賃)が現行価格を維持しているため、お得感がイマイチ…という意見も多く聞かれます。燃油サーチャージとは、燃料となるオイルの価格に連動し別途請求される料金。航空燃油(シンガポールケロシンといいます)における一定期間の「平均価格」を基準に決定されます。価格は各航空会社によって異なりますが、原油価格が下落してもしばらくの間は現行価格が維持される仕組みになっています。つまり、オイル市場の価格変動と燃油サーチャージの間には「時差」が存在するわけですね。
現在、原油価格は急落していますから、その動向に沿う形で燃油サーチャージも価格の引き下げが予想されます。例えば日本航空(JAL)は、燃油価格の下落を受けて、2015年2~3月発売の航空券より、燃油サーチャージの価格引き下げを発表。値下げ率は路線によって異なり、今後の動向としては韓国・ロシアなどの路線で最大50パーセント程度の引き下げが予想されています。
燃油サーチャージは2カ月毎に改定されており、さらなる価格低下も十分にあり得ます。ちなみに、今回の大幅な引き下げは数年~10年に一度クラスの大きなチャンスと見て間違いありません。一部には、2015年4月よりサーチャージ「ゼロ」になる可能性を指摘する声もあるようです。円安により海外旅行(滞在費)が割高になっているとはいえ、短期の滞在であれば十分にそのメリットを受けることができそうですね。世界的な原油増産の原因となったシェールオイルについては、専門家から「バブル」であるという意見も出ています。短期間で枯渇すれば、一気に原油価格=航空券料金が値上がりする懸念も…まさに今がチャンスのタイミングといえるのかもしれません。