ピーチが就航3年で累計搭乗者数800万人を突破したと発表
2021年04月23日
関西空港を拠点とするLCC「ピーチ航空」が、早くも累計搭乗者数が800万人を突破したとして話題を集めています。
2012年3月の就航からわすか3年。
「快挙」ともいえる好調ぶりで、2012年に100万人、2013年に200万人、2014年には700万人に到達し、航空業界で大きな躍進を見せています。
3年前の2012年、サービス開始当初は3機のエアバスA320型機(180席)で関西-札幌線と福岡線の国内線2路線を運航するのみだった当社。
1日の便数は14便で、1日あたりの乗客数は約1800人でした。
それが現在では、14機のA320で国内線10路線、国際線7路線の計17路線を運航しており、1日に約70便が発着し、毎日1万人以上が利用しています。
就航3年で大幅な黒字化にも成功。
就航から約2年で単年度黒字を達成して以降、国内LCCを代表する存在として、順調に知名度およびサービスの拡充を図っています。
2014年には那覇空港を第2拠点(ハブ)化。2015年3月よりさらに新たな拠点を確保すべく、成田路線の充実化推進されています。
中でも注目を集めているのは、新設された札幌線と福岡線。
首都圏に本格参戦したことで、ついにLCC業界における熾烈な競争が始まった形です。
かつては「独り勝ち」状態だったピーチ。
ライバル企業の一つ「ジェットスター・ジャパン」も今年に入って累計搭乗者数が800万人を達成しており、名実ともにLCC間の競合激化がうかがわれます。
唯一の懸念材料を挙げるとすれば、慢性的な人材不足が指摘できるでしょう。
奇しくも航空事故が相次ぐ昨今。
コストを押さえ収益の確保を図ることはもちろん、その前提として安全性をいかに確保するか、さらにはパイロットをはじめとする専門職従事者をどのように拡充するのか、今後の対応が待たれるところです。
過去には人材不足から大幅な減便を行なった経緯もあり、路線拡大と人員確保のバランスは、今後も大きな懸案として、ピーチ航空、さらにはLCC業界全体に共通する課題となるでしょう。
これまでは徹底的な効率化で収益を確保してきたピーチ。
特にインターネットを介したチケット販売に注力し、女性客を中心に支持を集めました。
ところが、国内に同様のサービス、ビジネスモデルを提供するLCCが登場したことから、チケット料金は「横並び」の状態に。
近い将来には、国外の資本が大規模に参入する可能性も濃厚…好調を維持しているとはいえ、ピーチに「静観」は許されない状況です。