スカイマークは欠航率の低さで第1位!欠航時の対応などを紹介
2024年02月9日
空港に着いたら、搭乗する予定だった航空便が欠航になっていた、という経験はありませんか。
突然の欠航の知らせに「楽しみにしていた旅行がパアになった!」と暗澹たる気持ちになりますよね。
LCC(格安航空会社)の中でも大手並みのサービスで人気の高いスカイマークは、2018年欠航率ランキングで、大手のJALやANAを抑え欠航率の低さでトップに躍り出ました。
今回の記事では、スカイマークの欠航時における対応や、私たちが取るべき行動などについて、事前に知っておいた方がいいことをまとめています。
ぜひ最後まで読んで、突然欠航になったとしても、慌てずスムーズに対処できるようにしておきましょう。
欠航の原因は2つ
欠航が起きる原因について説明する前に、航空便の欠航とはどういうことかをお話します。
欠航とは?
欠航とは、航空便が運航を取りやめることで、空港の電光掲示板では、日本語で「欠航」、英語で「cancelled(キャンセル)」と表示されます。
お金を払ってチケットを買ったのに、突然キャンセルなんて!と頭に来る方もいるかもしれません。
しかし、大空を飛ぶ航空機としては、ほんのわずかな確率であっても不測の事態が起こりうる要因が見つかれば、それを見逃すわけにはいきません。
徹底した整備と厳しい審査をクリアした機体でないと、たくさんの命を乗せて飛ぶことは許されません。
いついかなる時も100%安全であることが求められる航空機は、その安全性が保障できないと判断された時、欠航となります。
それではどういった時に欠航となるのかを説明しましょう。
欠航の原因①:悪天候
台風や大雪などの悪天候により安全に航行できないと判断された時は欠航となります。
出発地が晴天であっても、到着地が台風などの場合は着陸できないため欠航します。
天候は、人間の力ではどうすることもできない不可抗力なので、欠航は致し方ない措置といえます。
欠航の原因②:自社都合
航空会社の都合によって欠航となることもあります。その原因は、大きく2つに分かれます。
機材故障
航空機の部品やシステムなどに故障が見つかった場合、欠航になることがあります。
機体が新しく、優秀な整備士が数多くいれば、機材故障は最小限に抑えられますが、整備士が不足していたり、機体が古かったりすると、機材故障は比較的よく起こり、欠航が多くなります。
機材繰り
航空会社の都合で欠航となる場合、機材繰りが原因であることが多いようです。
機材繰りとは「予定されている航空機が到着していない」ことです。どうしてそのようなことが起きるのかということについて説明します。
まず、一般的に航空会社では、1つの機体が連続して複数の便を運航するようにダイヤが組まれています。
例えば、Aという機体が1日に成田→上海→北京→上海→成田、という風に運航しているとします。この機体が北京で悪天候に見舞われ、北京→上海の便が欠航します。
これは、上海から成田へ向かう人にとっては何の関係もないことであるのにも関わらず、北京から上海に機体がやって来ないために、上海→成田の便も欠航になってしまう、これが「機材繰りによる欠航」です。
上海で別の機体を手配すれば、上海→成田の便は欠航にはなりません。
しかし、それには莫大なコストがかかり、もともと保有機体数が少ないLCCなどでは、欠航にして払い戻しをした方が採算に見合うと判断されてしまうのです。
スカイマークは欠航率の低さナンバーワン
悪天候による欠航は仕方がありませんが、機材故障や機材繰りなど航空会社の都合による欠航は、大手よりもLCCに起きがちといわれています。
しかし、日本のLCCを代表するスカイマークは、国内航空会社の中で最も欠航が少なく、定時就航率ナンバー1に輝いています。
スカイマークは欠航率の低さ第1位
国交省の2018年度「特定本邦航空運送事業者に関する航空輸送サービスに係る情報」によると、国内航空会社12社(日本航空・全日空・スカイマーク・スターフライヤー・エアドゥ・エアアジア・ソラシドエア・ピーチ・ジェットスター・バニラエア・日本トランスオーシャン・春秋航空)中、スカイマークは最も欠航率が低い1.15%。
3年連続で最高位を獲得しています。
ちなみにワースト1位はジェットスターの3.90%、大手のANAの欠航率は2.09%、JALは1.42%です。
ただし、欠航率には悪天候による欠航も含まれていますので、台風の多い沖縄路線を多く抱える航空会社は不利になり、単純に比較はできません。
そこで、機材繰りや機材故障による欠航率を見てみると、2018年1月~3月のデータでは、機材繰りによる欠航率の低さのトップはスカイマークの0.08%、機材故障による欠航率の低さのトップは春秋航空とエアアジアの0.00%、その次がスカイマークで0.03%です。
さらに、定時運航率においては、スカイマークが3年連続第1位を獲得しています。
これらの結果から、スカイマークは欠航や遅延が少ない航空会社であることがわかります。
経営陣刷新が奏功
かつては遅延が多く、それに付随して欠航も多かったといわれるスカイマークですが、経営破綻により2015年、民事再生法の適用を受けて社内が刷新されました。
経営再建の柱として発表された「新生スカイマークの方針」では、欠航・遅延を最小限にとどめることを掲げています。
その方針を受け、予備機体を確保して機材繰りによる欠航を防ぎ、定時運航に努めた結果が、現在の好成績につながったといえます。
欠航したらどうなるの?
低欠航率NO.1 のスカイマークでも欠航することはあります。
この項では、スカイマーク便が欠航になった時の基本的な対応についてお話しします。
悪天候で欠航した時の対応
台風など悪天候が原因で欠航した時は、チケットの「払い戻し」または「別便への変更」ができます。
払い戻し
チケットの払い戻しにおいては、手数料が差し引かれることはありません。
全額返金されますので安心してください。
払い戻しの手続きは、空港カウンターだけでなく、予約センターやWEBサイトでもできます。
ただし、出発予定日から10日以内と手続きする期限が決まっていますので、忘れないようにしましょう。
欠航当日は空港カウンターが混雑するため、予約センターやWEBを利用した方が早く手続きできるかもしれません。
払い戻し金の受け取り方法は、チケット代金の支払い方法によって異なります。
チケット代金をクレジットで決済した方は、クレジットカード会社を通じて返金されます。
コンビニで決済した方は、空港カウンターかコンビニ(ローソン)で受け取るか、銀行振り込みにより返金されます。
旅行代理店で申し込んだ方は、申し込みをした店舗で受け取る形になります。
また、欠航証明書が必要な場合は、空港カウンターで発行してもらえます。
空港へ行くことができない場合は、予約センターで対応してくれるので連絡してみてください。
別便への変更
悪天候で欠航した場合、スカイマークの同一区間での後続便に振り替え可能です。
チケットの有効期限満了日の翌日から30日以内の便に空席があれば、手数料なしで変更できます。
また、当初予約した便より変更した便の方が高額であっても、差額分を支払う必要はありません。
当初予約した便より変更した便の方が低額であった場合は、差額分を返金してくれます。
ただし、変更の手続きは本来の搭乗予定日の10日以内に行わなければなりません。
払い戻しの時と同様、空港カウンター、予約サイト、WEBサイトで手続きできます。
急いでいるのに別便が見つからない場合
払い戻しの手続きは、本来の搭乗予定日より10日以内であればいいのですが、別便が見つからず、なおかつ急いでいる時は、一刻も早く別の交通手段を確保するようにしてください。台風など天候不良があらかじめわかっている時は、航空便のほかに別の交通手段も探しておくなど2段構えで臨んだ方がいいでしょう。
自社都合で欠航した時の対応
機材故障や機材繰りなどスカイマーク側の理由で欠航した場合、悪天候時と同様にチケットの「払い戻し」または「別便への変更」ができます。
払い戻しに関しては、悪天候時と同じ対応ですが、別便への変更については、悪天候時と少し対応が異なります。
他社便への変更も可能
別便に変更する場合、スカイマーク便はもちろん、LCCでは珍しく、他社便、その他の輸送機関への振り替えも可能です。
スカイマーク便であれば、チケットの有効期限満了日の翌日から30日以内の便に空席があれば、手数料なしで変更できます。
手続きは、空港カウンター、予約サイト、WEBサイトでできます。
他社便、他の輸送機関へ振り替えする場合は、スカイマークが認める範囲において補償されますが、基本的に無料で振り替えてもらえると考えていいでしょう。
振り替えた便が当初予約した便より低額であれば、差額分は返金してもらえます。
手続きは本来の搭乗予定日の10日以内であれば行えます。
こんな時どうしたらいい?ケース別Q&A
スカイマーク欠航時における基本的な対応を紹介しましたが、この項では具体的な対処法をケース別のQ&Aで見てみましょう。
往復チケットの取り扱いはどうなる?
Q1:往復でチケットを購入して、台風で行きの便が欠航となった場合、帰りの便も払い戻しはできるのでしょうか。
A:往復分でのチケット払い戻し可能です。
出発予定日から10日以内に手続きしてください。
Q2:往復でチケットを購入しましたが、台風で帰りの便が欠航になりそうな場合、旅行そのものを取りやめる、または搭乗便を変更するのに手数料はかかるのでしょうか。
A:悪天候で欠航になる可能性が高い便が含まれる旅程であれば、手数料なしで払い戻し、または別便への変更が可能です。
スカイマークが手数料なしでの振替または払い戻しができる便を決定すると、スカイマークのホームページのトップに対象となった便名が掲載されるので、悪天候時はこまめにホームページをチェックするといいでしょう。
手続きは、帰りの便の出発予定時刻より前に行ってください。
予約便に間に合わない時はどうなる?
Q1:悪天候により、空港に向かう交通機関が遅延・欠航・運休して、予約した便に搭乗できない時、チケットはどうなりますか。
A:該当交通機関の遅延・欠航・運休の証明書をもらったうえで、スカイマークの空港カウンターまたは予約センターに申し出ます。
スカイマークの同一区間の後続便(チケットの有効期限満了日翌日から30日以内)への振り替え、もしくはチケットの払い戻しができます。
どちらも手数料はかかりません。
出発予定時刻を過ぎても出発予定日から10日以内であれば、手続き可能です。
欠航が決まる前での払い戻しや変更はできる?
Q1:まだ欠航が決定していませんが、悪天候が予想されている場合、予約したチケットの払い戻しや別便への変更はできますか。
A:台風や大雪など悪天候で運航に影響が生じると見込まれる場合は、欠航時と同じく、手数料なしで払い戻し、別便への変更が可能です。
他社便への振り替えはできる?
Q1:予約していた便が悪天候で欠航になった時、他社便へ変更できますか。
A:悪天候で欠航になった場合、振替できるのはスカイマークの同一区間便のみです。
他社便への振り替えができるのは、機材故障や機材繰りなどスカイマークの都合によって欠航となった時で、悪天候時には適用されません。
欠航した時のホテル代は?
搭乗便が欠航になっても、手数料なしで払い戻しや別便へ変更できるから一安心、と思っていませんか。
欠航となった便の時間によっては、宿泊が必要になることがあります。
そんな時、宿泊費はスカイマークが負担してくれるのでしょうか。
悪天候による欠航での宿泊費
台風や大雪など悪天候が原因で欠航となった場合、空港で足止めされている人たちの姿をニュースでよく見かけますよね。
別便への振り替えを希望しても、当日に乗れず、後日便になってしまったり、搭乗する予定だった便が夜に出発する便であったり、帰りの便が欠航になったりすると、宿泊が必要になります。
悪天候が原因の欠航の場合、宿泊費は自己負担です。
ホテル代は自腹となるので、悪天候が予想される時の旅行には、余分なお金かクレジットカードを持って行くようにしましょう。
自社都合による欠航での宿泊費
機材故障など航空会社側の原因で欠航となった場合の宿泊費については、航空会社が費用を負担します。
とはいえいったん乗客がホテル代を払い、後でその費用を航空会社に請求するという形を取りますから、やはりお金は必要です。
費用請求の際には、宿泊したホテルの領収書が必要になりますから、なくさないようにしましょう。
旅行保険のすすめ
このように欠航時には、宿泊費や空港で足止めされた時の食事代などで、急遽お金が必要になることがあります。
旅行の前にあらかじめ「航空機遅延費用特約」のある旅行保険に入っておくことをおすすめします。
この保険に入っておくと、欠航や遅延に伴う宿泊にかかった費用や、空港からホテルまでの交通費、電話代などの通信費、食事代などが補償されますから安心です。
まだ保険に入っていない方は、この機会に検討してみてはいかがでしょうか。
いつわかる?悪天候時の欠航判断
搭乗予定日近くに大雪や台風接近が予想されると、飛行機が飛ばないのではないかと心配になりますよね。
航空便の欠航は、いつわかるのでしょうか。
欠航決定の明確な基準はない
悪天候による欠航の決定には、明確な基準というものはなく、各航空会社が刻々と変わる状況を慎重に見極めたうえで、欠航するかどうかを判断します。
そのため、ANAは欠航したのにスカイマークは飛ぶ、またはその逆、といったことも十分考えられます。
また、悪天候が原因で機材繰りがうまくいかなくなったために欠航することもあります。
欠航はいつわかる?
ぎりぎりまで状況を見極めるため、早ければ搭乗予定日の前日ということがあるようですが、当日でないと決定されないことが多いようです。
ホームページで確認を
欠航が決まった便は、スカイマークのホームページのトップページに掲載されるので、悪天候時にはこまめにチェックしてみてください。
直接電話で確認しようとしても、同じように不安を抱えている人たちからの電話が殺到しているため、なかなかつながりません。
電話よりも確実に情報が届く手段として、事前にメールアドレスを登録しておくことをおすすめします。
悪天候による欠航が決まると、登録したメールアドレスに欠航を知らせるメールがくるので、早く情報をキャッチできます。
欠航はつきものと考え、余裕を持った旅行計画を
航空機は大勢の命を乗せて大空を飛ぶ乗り物。
100%信頼できる安全な航行が約束できない時は、欠航せざるを得ません。
突然の欠航になっても慌てないよう、事前に知っておいた方がいいことを紹介しました。
航空業界にとって欠航はよくあることですから対応はスムーズです。
飛行機を使う旅行では、余裕を持った計画を立てておきましょう。